【8話】破滅願望【エロライトノベル】 (Pixiv Fanbox)
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プロローグはこちら https://www.pixiv.net/fanbox/creator/355065/post/418529
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破滅願望 原作:M月 イラスト:朝凪 制作:fatalpulse
8話 計画
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──セラの過去を、夢に変えて盗み見る。
私と出会う前のこと、出逢った後のこと、私が知っていたこと、知らなかったこと、セラの考えていたこと、想い、全てを。
趣味が良いとは決して言えない。
セラは私にとってとても大切な人間だ。正気であれば、こんなことは絶対にしなかっただろう。
──でもごめんね、セラ。私は貴女が思っているよりも、ずっとずっと壊れてしまったみたい。
「…………ッふう…………!!」
現実に引き戻される。
目を開けると、セラが穏やかに眠っていた。
「…………」
眠りの魔術をかける。準備が必要だ。セラには申し訳ないが、もう一日ほど眠っていてもらわなくてはいけない。
(……それにしても)
セラの左手に付けられた指輪を見る。
魔術が効かない体質──などというセラの言葉を聞いた後、落ち着いた私がすぐに思い至ったのは、魔術による無効化であった。
結果として正解だったわけだが、しかしそれが父の術式だったとは思わなかった。
父の術式は全て見せてもらったと思っていたのだが、こんなに凄い魔術を隠していただなんて、父も人が悪いと笑みがこぼれる。
(──ま、いくつも隠してる私に言えたことじゃないけど)
正直父や母の力量は既に超えてしまったと考えていたのだが、思い上がりだったかもしれない。
いや、全体的に超えているという予想は正しいと思うけれど、セラの記憶で母が『夫の最高傑作』と言っていたことから、父の研究の集大成がこの術式なのだろう。
言うだけあって、父が教えてくれた他の術式とはレベルが違う魔術であり、私でも一朝一夕では構築できない術式だ。
できればじっくりと術式を解析してみたいところだが──
「……それはまた今度かな」
そう、今はセラのことだ。セラにも私が感じている悦びを教えてあげたい。
セラの望んでいることは既に盗み見させてもらったから、後は少しばかり仕込みをしてからバルガスに任せれば問題ないはずだ。
私は自室に戻ると、そのために必要な術式の構築に取り掛かった。
──全て、私の思惑通りに事は進んだ。
バルガスを操作して、父を殺せなどという突拍子もない命令をさせた上で、私がそれに抗う。激怒したバルガスは私の首を絞める。
この時点で私は、予め部屋の中に置いていた認識阻害魔術がかかった第三騎士団の男に憑依して、特製の肉体強化魔術を施した上で待機する。
私の本体が失神したタイミングでセラが飛び込んたのを確認してから、それを撃退。
ここまでは、何の問題も無かった。私が絵に描いていた通りの流れ。
そして今、目の前ではセラが壁に手をつかされてバルガスに犯されている。
──だが、私の思惑は完全に崩されていた。
私やメイドが飲まされたものと同じ、あの強力な媚薬を摂取した上でバルガスに犯されているというのに、セラがまるで動じた様子を見せないのだ。
床にぽたぽたと垂れている愛液の量を見るに、薬が効いていないということはないし、間違いなく極上の快楽を得ているはずなのに、ほぼ無反応である。
(すごい……)
精神的にもほぼ動じていない。
たった今イってしまったようだが、それだけだ。屈服なんて、欠片もしていないだろう。
バルガスが激昂しながら、私が憑依している男に言った。
「何人か使って、こいつをまわし続けろ。24時間だ。ひと時たりとも休ませるな。それから、アレ(・・)を使え。このクソ生意気な女をヤク漬けにして、徹底的に壊せ!」
「おいおい……」
一時的に男の記憶を共有している私は、バルガスの言うアレ(・・)というのが麻薬のことであると理解する。
私がバルガスにかけた魔術は、自身の意思で部下の男を手配させたという誤認、そこから私の首を閉めるまでの一連の流れについて何一つ不自然には思わせないための暗示である。
それ以外に関してはまったく関与していないため、セラを犯したのも、今こうして激怒して麻薬漬けにしろなどという命令を出しているのも、全てバルガス自身の意思である。
そのため麻薬という手段は私にとっても予想外だったが──少し悩んだ末に、従うことにした。
バルガスの命令によって、第三騎士団の野蛮な男たちがセラの身体に群がっていた。
セラは床に寝転がった男に抱き着くような格好を強制されて、前からも後ろからも挿入されている。窓からは、陽気で暖かそうな光が場違いに差し込んでいた。
『……はぁっ……ふっ……』
バルガスに犯されていたときよりも余裕がない様子で、全身に脂汗を浮かばせて艶めかしい吐息を漏らすセラ。
それもそのはずだろう、セラの身体は今、中毒症状寸前といった状態になるまで麻薬を注射されて、犯されている。
『…………』
『へへへへッ……最高だぜ、この女……ッ』
『全くだ。バルガス団長、様様ってな……!』
『ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!』
『あっ、うっ、うっ、うっ、うっ……』
乱暴に男達に腰を打ち付けられる度に、肺から空気を漏らすようにセラが呻く。
『いや、しかしすげえなこいつ……アホみたいに薬くれてやったってのによ』
『まだ正気保ってんのか? 目は焦点あってねえけど』
『ま、そのうち耐えられなくなんだろ』
「…………」
犯され続けるセラの姿に、心のどこかに残った理性がチクリと痛んだ。
今日で、三日目。セラは本当に休む間もなく、気絶するようにして眠っている間ですら、男達に嬲られていた。
乳房や首筋には、接吻の後とも歯型ともつかない無数の痣が刻まれ、休む暇もなく挿入で擦られ続けた陰唇は真っ赤に腫れ上がり痛々しい。
今は昼下がりだが、時間はもはや関係ない。日が沈み、周囲が静まりかえり、そしてまた陽が上っても、セラは麻薬を打たれて輪姦され続ける。
私がバルガスの命令に従ったのは、セラの精神的防壁を剥がすことが目的だった。そういう意味では、おそらくもう条件を達している。
あそこまで弱れば、後は最後の一押しだけでいいはずなのだ。これ以上苦しめる理由は薄い。
でも、バルガスから許しがでないため、やめさせることができない。
逆らえない。自分の心が、かなりの深さまであの男に侵されてしまっているのを自覚する。
セラを捕えるその瞬間だけは、魔術を使ってバルガスを都合のいいように操作した。それは、セラがある程度こちらの事情に通じていた以上、避けられないことだったからだ。
実際、私の介入無しではバルガスがどう動こうとも、セラを捕えることはできなかっただろう。
でも今は違う。あの凌辱をやめさせるかどうかは、バルガスの意思一つで決められることだ。
たったそれだけで、私はバルガスに懇願することしかできずにいた。
……大丈夫。男達にはあくまで性的な責めしかできないよう制限をかけたため、取り返しのつかないようなことにはならない。
それに、もしもセラがバルガスに従うことを本心から嫌がった場合は、身体を癒して、記憶を消してしまえばいい。
そう、だから何も問題は無い。
遠視の魔術を閉じたとき、ふいにガチャリと扉を開けようとする音が鳴った。
鍵がかかっていたため開かないようだったが、すぐにドンドンと扉を叩く音に変わる。
「…………」
こういう非常識なことをする奴に心当たりは一人しかいない。
扉を開けると、そこにいたのは予想通りの男、バルガスだった。ただ、私の部屋にこの男から来たのは初めてである。
「邪魔するぞ」
何の遠慮もなしにツカツカと部屋に入ってくるバルガス。
「ちょ、ちょっと……ッ」
仕方なく鍵を閉めて振り返ると、バルガスは私のベッドにドサリと寝転がっていた。
「もう、なんなのよ……」
言いつつ、いつもの通りに服を脱いでいく。こいつがわざわざ来たのであれば、用件は決まっている。
「今日は使ってやらんぞ。気分じゃない」
「えッ…………!?」
思わず叫んだ。そんなこと、初めて言われた。
「な、なによ、じゃあ何をしにきたのよ……ていうか、脱ぎ終わる前にそれ言いなさいよ……」
「部屋に戻るよりここが近かっただけだ」
「…………勝手な男ね」
「俺が何をしようが貴様に拒否権などないだろうが、雌豚」
「…………」
既に全裸になっていた私は、気恥ずかしさに胸と股間を隠しながら、おずおずとバルガスが寝ているベッドに膝をついて乗りあがる。
私はカチャカチャとバルガスのベルトを外して、ズボンを脱がせていく。
「おい」
「……う、うるさい……私は、貴方の雌豚なんだから…………貴方に躾けられた通りに、奉仕するだけよッ…………」
バルガスの性器がボロンと露出する。途端に広がるペニスの臭いが、むわっと鼻についた。
「…………はぁッ…………?」
ちゅ、と先端に口づけてから、舌で愛撫をしていく。自分でも変態じみていると思うのだが、バルガスのペニスの臭いが癖になりすぎていて、こっそりと嗅ぐのをやめられない。
「その割に、貴様はいつまでたっても言葉遣いを覚えないな」
「……べ、別に、貴方に抱かれてるときはちゃんと言われた通りにしてるんだからいいじゃない……。普段から言いなりなんて、御免よ……私は、仕方なく従ってるだけなんだからぁ…………はむッ?」
「ふん、何度も俺に媚びへつらっている癖によくもほざく。そこまで言うのならば捨ててやろうか? 女なんぞ他にいくらでもいるからな」
「ふぁっ…………ほれはひゃめぇ…………?……んっ、ぢゅるッ……はぁ、ふぅ…………れろ、ぺちゃっ……じゅるぅ…………」
「はッ……まあ、貴様が俺のモノを咥えているその様だけは、何度見ても気分がいい。その点だけは使えるからな、飽きるまでは捨てないでやる」
「…………れろっ……ちゅう、じゅる…………んふゥッ…………れろ、れろぉ…………ッ」
私はうっとりとペニスをほおばり、しゃぶる。
「んはァ、れろぉッ……はぁ、じゅるっ……んぐ、んぐッ…………んはぁぁぁッ…………んっ、んっ、んぅ……?」
時折脈打つ長くて硬いそれを舐めまわす。舌で味わい、臭いを嗅ぎながら、懸命に奉仕する。
これを咥える私の姿は何度見ても気分がいい、と言われたが、それは私も同じだった。
この男のペニスをしゃぶっていると思うと、それだけで頭がクラクラして、酷い屈服感に酔いしれてしまう。
「んむうぅぅぅうん……じゅるっ、じゅるぅぅぅ…………んぐ、んうぅ…………?…………んふぅぅぅン……うん、むぐぅ……じゅるる…………」
もう何度もくわえさせられていて、新鮮味なんてないはずなのに、
いつまで経っても、この倒錯と被虐は消えてなくならなかった。
第三騎士団宿舎、団長用私室。
バルガスの部下と思われる男たちが次々と部屋に入ってきた。
先頭の二人が、それぞれ片手で、女性の足らしきものを掴んでいる。
私は別室から、その様子を見守っている。
これから運ばれてくるセラには、まだ私の関与を悟らせてはいけない。
彼女の精神力は並大抵ではない。私の思惑だったことを知られれば、弱り切っているはずの心もその時点で持ち直してしまう可能性があると踏んでいるからだ。
「…………」
女性の足らしき──ではなく、そのものだった。上半身は麻袋で包まれて、縛られている。
股を大きく開かされるような格好で両足を持たれて、引き摺られているのだ。
女性は気を失っているのか、微動だにしていない。
(あぁぁぁ…………酷い、ことをッ…………?)
それは言うまでも無く、セラの無残な姿であった。
セラのそんな姿を見て心が痛むよりも、先に興奮が走ってしまう私はもう、駄目なんだと思う。
『団長、注文の品です』
柄の悪い男どもは例外なく、何か馬鹿にした表情でニタニタと笑っていた。
染み汚れたニーソックスだけを履いた下半身を丸出しにしてずるずると引きずられてきたセラ。
上も麻袋に入れられているだけで、おそらくは全裸だと思う。
バルガスはニヤリと笑って言った。
『躾(・)は済んでいるんだろうな?』
『あー、それが……完全にヤク中にして何度も輪姦(まわ)してやったんすけど……』
『正気の時には、結局言うこと聞かせられませんでした』
『チッ……無能どもが! こんなメス一匹すらロクに躾けられんとはな』
バルガスが不機嫌そうに舌打ちをした。
『はは……いや、すいませんっす』
『まあでも、ヤクぶちこんでやった直後は、だいぶ素直になりましたよ』
『最初はまるで無反応だったけど、今はだいぶ叫ぶようになりましたし』
『あー、注射器見ただけで涎垂らす程度にはぶっ壊れてます』
「…………はぁ、はぁッ…………!!」
笑いながらそう話す男達に、私は怒りとも興奮ともとれない、ぐちゃぐちゃした感情を抑えきれなかった。
袋が、びりびりと破かれていく。
私のよく知る、けれど似ても似つかない、セラの姿がそこにあった。
全身のいたるところに鞭で打たれたような形跡がある。
腕に、青あざのような形で注射痕が残っている。セラの身体にあってはならないような、醜い痕だった。
そして、セラは意識を失ってなんかいなかった。
生気がまるで感じられない瞳でどこかを朧げに眺めながら、ああ、とか、うう、とか、小さく呻き続けている。
全身は薬の影響か汗をかき妖しく脂光りしているが、肌の血色は芳しくなく、以前よりも若干痩せて窶れた印象を受ける。
「…………ッッ」
私の中の何かが、ゾクリと震えた。
『くくく……なかなか笑えることになっているな。お前らはもういいぞ、下がれ』
バルガスの命令に従い、男達は退室していった。
後に残されたのは、バルガスとセラの二人のみ。
セラは弱々しく周囲を見渡した後、バルガスを見据えた。
『……リ、リア様は…………』
『ふん、自分よりもまずあの雌豚の心配か。麗しい主従愛だな』
『こ、こたえなさい……』
身体を苦しげに震わせて、顔を苦痛で歪ませながら、セラが言った。
『くくく…………あの小娘は、貴様とは違う手段で痛めつけているところだ』
『なッ…………!!』
『貴様と同じような手段ではあの雌豚が喜ぶだけだからな。今は部下に拷問させている』
『なにをッ……なぜそんなことを……!!』
『知りたいか? 簡単だ、この俺に逆らったからよ。命令は聞かんわ、歯向かうわと、雌豚の分際で調子にのっていたからな。
ああ、貴様のことを話してやったときなど、身の程を忘れて怒り狂っていたな。
多少部下に痛めつけさせられただけで泣いて許しを乞うていたのが笑えたが』
『なんて、ことをッ……!! 今すぐやめさせなさい…………!!』
『黙れ』
バルガスがずかずかとセラに近づき、片手で担ぐように持ち上げた。
セラは肉体的にも相当弱っているようで、まるで抵抗できずに為すがままだった。
『これから、この俺自ら調教してやる。その後まだ同じことをほざけるようなら、考えてやってもいいぞ?』
肩に担いだセラのお尻を、平手打ちするバルガス。
パシィン!! と鋭い音が響いた。
『くう…………ッ』
「ああ、セラッ…………ごめんなさいっ…………?」
気付けば、私は自分の股を指で淫らに擦りはじめていた。
これから、セラを私の手で……変えてしまうのだ。
いや、仕込みこそしたものの、とどめをさすのはバルガスだ。
ならばバルガスにセラが変えられてしまうといった方が、正しいだろうか。
私のセラが……私だけを大切に思っていてくれたセラが、変えられてしまう。
自分の大切な人間を売り渡してしまったというのに、下腹部から妖しい熱が込みあげてくる。私は最低な人間だ。
でも、そんな自制よりも、バルガスに逆らえない自分への陶酔と、そしてセラがあの男に泣かされるなどという想像のつかない光景を夢想して、興奮してしまっている。
セラが、ベッドの上に放り投げられていた。
「ああ、セラぁ……? もうすぐ、私と一緒だよッ…………!?」
私の甘い呟きと同時に、凌辱は始まった。